アフリカの中部に存在するコンゴ共和国。世界の中でも有数の紛争地帯として、今なお多くの人々が不安定な情勢の中で暮らしています。

しかし、そんなコンゴに強烈な異彩を放つ集団が存在します。その名は「サプール」。

彼らはおしゃれなスーツに身を包み、ファッションには並々ならぬこだわりと情熱を持っています。

今、世界的からも注目を集めているコンゴのサプールとは、一体どんな人々なのでしょうか。

コンゴに生きるサプールの正体

コンゴに生きるサプールの正体
引用:RETRIP

サプールという言葉は、元々コンゴに存在するファッション「サップ」が語源になっています。

コンゴはその昔、フランスの植民地として支配されていた歴史を抱えた国。

フランスの文化が移入し、それがやがて西洋文化への憧れに変化していく過程で生まれたのがサップであり、自ら好んでサップファッションを身にまとう人々の事を「サプール」または「サペー」などと呼ぶようになりました。

 

サップには着こなす上でとても細かな決まり事が設けられており、たとえば、ファッションのコーディネートに使って良い色は3色まで、さらに靴下は決まった長さのものしか履いてはならないといった細かいルールが存在します。

しかも、ファッションだけではなくサップを身にまとう時は何があっても「紳士であれ」というのが信条。

このようなルールを守りつつ、その中でサップファッションを楽しむのがコンゴのサプール達なのです。

 

世界的に注目される「平和の象徴」のサプール

世界的に注目される「平和の象徴」のサプール

度重ねる内戦の影響で、サプールたちはこれまでに何度もサップファッションを着ることが出来ない時期がありました。

しかし、現在では国家がサプール達の存在を認め、内戦にも負けずにファッションを楽しむサプール達の存在は世界中で多くの共感と共に注目を浴びるようになっていきました。

 

今ではコンゴの「平和の象徴」と呼ばるようになった彼らは、その大半がコンゴに済む一般人です。

月収が決して高いとはいえないコンゴで賢明に働きながら、サプール達はその収入の多くをファッション代に費やすと言われています。

これは「貧しくともファッションを楽しむ心を忘れない」というサプールの美学であり、そのファッションにかける情熱は不安定な国内情勢などに左右されないほど強いものなのです。

 

ファッションデザイナーがオートクチュールのコレクションにサップファッションを取り入れるなど、今もサプール達は世界に影響を与え続けています。

世界一かっこいいファッション集団サプールが、いつかファッション業界を席巻する日も近いかもしれませんね。