美貌の皇后と呼ばれ、その美しさで今も多くの人間を虜にしているオーストリアのエリザベート妃。
彼女はその美貌を保つために、様々な努力を惜しまなかったと言われています。
美を追求したエリザベート妃
エリザベート妃が当時オーストリア=ハンガリー帝国の皇帝であったフランツ・ヨーゼフ1世と結婚したのは彼女が若干16歳の頃でした。
エリザベート妃は身長172センチと長身でありながら、体重は僅かに46キロ、ウエストはなんと50センチという驚異のスタイルを持っていたことでも有名です。
このような体型を維持するためにエリザベート妃は20代でベジタリアンとなり、肉を一切食べることをしなかったと言われています。
さらに毎日欠かさず三回必ず体重計に乗って体重を管理し、頻繁に断食を行なうなど、過激なダイエットを繰り返しながら常にスタイルを崩さないように努めていました。
彼女が生活していた宮殿には、そんな体型維持のために作らせた専用の体操室が存在しています。
この体操室には、まるでアスリートが使用するかのような本格的な吊り輪や鉄棒などの器具が設置されており、エリザベート妃がいかに本気で体型維持に努めていたかをうかがい知ることができます。
この体操室を利用するだけではなく、エリザベート妃は日常生活においても自らの体形を維持する運動を欠かしませんでした。
一説によると、日課にしていた散歩では毎回競歩のようなスピードで歩き、なんとそのスピードで8時間も散歩を繰り返していたそうです。
寝るときでさえ、背中を真っ直ぐに保つため枕を使わなかったり、酢酸を浸した布をウエストに巻いたりしていたました。
しかし、これだけでは満足しなかったのか、ある時は子牛の生肉を革マスクの内側に張り付け、そのマスクを着用したまま就寝して女官を大層驚かせたという逸話も残っています。
美貌を保つには努力が大切
エリザベート妃が自らの体の中で、その美しさを保つことに異常なまでの執着をみせたのがその頭髪でした。
エリザベート妃の肖像画を見ると、いずれも美しい艶を放つロングヘアが描かれていますよね。
この美しい髪を保つため、エリザベート妃は毎日2時間以上かけて調髪を行なっていたと言われています。
彼女の髪に触れることが出来るのは専用の髪結い係だけであり、たった1本髪の毛が抜けるだけで激しい叱責を受けることも珍しくはありませんでした。
洗髪にはさらに手間と時間をかけ、月に1~2回設けられた洗髪の儀の最中は皇帝のフランツ・ヨーゼフ1世でさえ会うことが許されません。
この洗髪の儀では頭髪に生卵とブランデーを混ぜて作ったシャンプーを塗り、しばらく放置した後にお湯で洗い流したあと、胡桃の殻の煮汁ですすぎを行ない、薔薇水で2度目のすすぎを行なうというとても手の込んだ方法が実践されていました。
このように、世界にその美貌をとどろかせたエリザベート妃は、影で絶え間ない努力を重ねていたのです。
私達もエリザベート妃のように、高い美意識をもって自らの美貌を磨き続ける姿勢を見習いたいものですね。