他の野菜に比べると、栄養価の面で劣っていると思われがちな「もやし」。
よく、もやしの栄養価はほぼゼロ!という話も聞きますが、これはまったくの誤解なんです。
もやしの中には確かに栄養価の低い品種もありますが、それはごく一部で、ほとんどのもやしには身体に良い影響を与えてくれる栄養素がたっぷり含まれています。
今回はもやしの健康パワーをご紹介していきます。
もやしは品種によって栄養価が変わる
もやしはその成長過程で種が持っている栄養素とは別に、発芽した後に新たな栄養素が生まれるという、二種類の栄養を持ったちょっと変わった野菜です。
もやしには大きく分けて大豆もやし、緑豆もやし、ブラックマッペ、アルファルファという4つの品種があります。
中でも、主にスーパーなどに出回っているのは緑豆もやしとブラックマッペ。
緑豆もやしはグリーンマッペという緑豆を発芽させて作られたものです。ブラックマッペ(ケツルアズキとも呼ばれる)は豆を発芽させたもので、豆が黒いのが特徴です。
一方、アルファルファは「ムラサキウマゴヤシ」と呼ばれる花の種子を発芽させたもやしで、他の品種に比べると細くてひよろひょろとした見た目をしています。
しかし、その見た目に反して栄養価は抜群で、タンパク質やビタミン類を多く含んでいるため、日本だけでなく欧米でも人気がある品種です。
大豆もやしは、その名の通り大豆を発芽させたもやしで、カリウムや食物繊維などの栄養素が豊富です。
その栄養素の量は緑豆もやしやブラックマッペと比較すると、なんとおよそ2倍というから驚き。
もやしを食べるときは「大豆もやし」や「アルファルファ」のように、栄養価の高い品種を選べば、しっかりと栄養を摂取することが出来るのです。
もやしは生活習慣病の予防に最適
もやしに含まれる主な栄養素は、カリウム、ビタミンC、食物繊維などです。
もやしに含まれるカリウムという成分は、体内の余分な水分・塩分を体外に排出する働きを促す栄養素。
普段から塩分の多い食事をしている方や、身体がむくみがちな時には積極的に食べると、体内に溜まっていた水分が排出され、身体がすっきりとするはずです。
また、もやしが豆や種子から発芽すると、新たにアミラーゼという消化酵素が生まれるのですが、アミラーゼは弱った胃腸を回復させ食欲不振を改善してくれます。
さらに、もやしの中にはストレスを緩和させて穏やかな精神状態を保つのに役立つGABAという成分が存在しており、ストレスが原因で発症する様々な精神病を未然に防ぐ効果があります。
もやし=栄養価がないというのは全くの誤りで、品種によっては高い健康効果が期待できる栄養素を含んでいること、お分かりいただけましたか?
もやしは野菜の中でも比較的安く手に入りますが、痛みやすいので長期保存には向きません。
購入したらすぐに調理し、新鮮なうちに食べるように気をつけましょう。