日本で古くから栽培されてきた大根。最近この大根の栄養とその健康・美容効果に注目が集まっており、毎日の食事に積極的に大根おろしを取り入れる女性が増えています。
大根は主に夏と冬が旬とされる野菜で、今では和食に欠かせない食材の1つでもあります。
そんな大根を食べることで一体どんな健康・美容効果があるのかおさらいしてみましょう。
大根おろしが生活習慣病を予防する
いま大根に熱い視線が注がれているのは、年々患者数の増える生活習慣病の予防に大根が効果的であることが分かったからです。
生活習慣の多様化や欧米化の進んだ食事の影響によって、現代人は高血圧症や糖尿病を発症する人が年々増え続けており、いまでは社会問題の1つにまでなりました。
この生活習慣病を予防する食材の代表格が野菜の大根なのです。大根の中には豊富なビタミンCと、生活習慣病はもちろん老化を促進して身体に悪影響を及ぼす活性酸素を除去するイソチオシアネートと呼ばれる成分が含まれているため、日常的に大根を食べる人ほど生活習慣病にかかるリスクが低くなるというわけなのです。
イソチオシアネートは加熱調理をすると成分が壊れてしまうため、大根を生のまま食べなけばその恩恵を受けることができません。
これが大根そのものではなく、大根おろしが生活習慣病の予防に効果があると言われる所以です。
がんを予防する大根のイソチオシアネート
生の大根に含まれるイソチオシアネートには、生活習慣病の他にもがんを予防する働きもあります。イソチオシアネートは大根の辛味成分のことであり、大根をすりおろした際に生成される成分です。
大根おろしを積極的に食べると体内に吸収されたイソチオシアネートが発ガン物質の生成を抑制し、がんになりにくい身体を作ることができます。
いまや日本人の死因の1位になっているがんを予防する大根おろしのパワーは日本だけでなく世界中からも注目され、研究も盛んに行われていると言われています。
大根の葉を食べることで美肌が手に入る
つい捨ててしまいがちな大根の葉の中には、ビタミンEがたくさん含まれています。
ビタミンEは強い抗酸化作用を持っている栄養素で、身体の酸化を防いで体内の活性酸素を抑制するアンチエイジング効果を持っていることでも有名です。
体内で活性酸素の量が増えると細胞までが酸化してしまい、臓器の動きが衰えて肌のターンオーバーも滞ってしまいます。
しかし、大根の葉を食べてビタミンEを摂取すれば活性酸素を分解することができるので、いつまでも若々しい身体と美肌が維持できるというわけなのですね。
ビタミンEは単体でなく、ビタミンCやビタミンAと同時に摂取することではじめてその抗酸化作用を発揮します。
なので大根の葉を他の野菜とともに炒めたり、味噌汁にちょい足しするなど食事メニューにプラスすることが最もビタミンEを効果的に摂取する方法だと言えるでしょう。
大根おろしの効果的な食べ方
大根おろしからビタミン類、イソチオシアネートを効果的に摂取するには、いくつかのポイントがあります。
まず、大根をおろすときは必ずおろし金を使い少しずつゆっくりとおろしていくこと。これは、できるだけ大根の成分を壊さないためです。
フードプロセッサーなどを使ったほうが短時間で手軽に大根おろしを作ることができますが、できるだけおろし金を使った方が成分を壊さず大根の栄養を余すところなく摂取することができるのです。
また、大根おろしを作るときは「皮ごと」おろすのが鉄則です。実は大根の栄養は皮に近い部分ほど量が多いことが分かっており、皮を剥いておろしてしまうとせっかくの栄養がほんのわずかしか摂取できないので勿体ないです。
大根はしっかりと水洗いすれば皮ごと食べても身体に害はありませんので、大根おろしを作るときは必ず皮ごとすりおろすようにしましょう。
そしてすりおろした大根はできるだけ早く食べるようにすることも大事です。すりおろした大根の中に含まれるビタミンやイソチオシアネートは時間の経過とともに数が減り、成分も劣化してしまうため時間を置いてから大根おろしを食べるのはとってももったいないことなのです。
1番良いのは、あらかじめ大根をすりおろしておくのではなく食事を食べる直前にすりおろすこと。新鮮な大根おろしの中にはたっぷりのビタミンとイソチオシアネートが含まれていますので、高い健康効果が期待できますよ。
今回は大根おろしの中に含まれる栄養成分と、その成分がもたらす健康効果をご紹介しました。
普段は食事の脇役になっている大根おろしですが、実は生活習慣病の予防や美肌など女性にとって嬉しい効果をたくさん持っている隠れたスーパーフードなのです。
大根はスーパーなどで安く手に入る野菜。今日から食事の中に大根おろしを取り入れて、健康な身体づくりをしながらアンチエイジングを叶えてみましょう。