記憶力は年齢と共に衰えていくもの。歳をとると物忘れがひどくなったり、記憶力が低下するのはおかしなことではありません。
しかし、最近では高齢者だけでなく若者の間にも、このような物忘れの症状からくる「若年健忘症」になる人が増えていると言われています。
単なる「物忘れ」で片づけてしまうにはあまりに危険な、若年性健忘症とはどんな病気なのでしょうか?
若年性健忘症の症状とは?
言いたい事があるのに言葉が出てこない、あるいは思い出せないといった、いわゆる「ど忘れ」は誰にでも経験があると思います。
ただ、瞬間的に言葉を忘れるのではなく、相手の話を聞いているそばから忘れてしまったり、日付や曜日が覚えられないといった事が頻繁に起こるようなら、それは若年性健忘症のサインかもしれません。
若年性健忘症になりやすい人は、一日中仕事ばかりに時間を取られて一人でゆっくりと過ごす時間がない人や、インターネットに頼りきりになり自発的に物事を考えることが少ない人など、脳に与えられる刺激が少ない生活を送っている人々です。
最近では全ての物事をパソコンで行うようになり、手書きでノートをとったり本をめくったりする機会が減り、行動が単調になりがちです。
このようなテクノロジーの進化が人の脳の機能を低下させ、重度の物忘れを引き起こすのだと考える見方もあります。
若年性健忘症を改善するには何をするべき?
若年性健忘症は早期発見ができれば、以前と同じレベルの記憶力にまで改善させることは可能です。
しかし、病院で薬物治療やカウンセリングを受けても根本的な解決にはならないため、自発的に物を考える機会を増やしたり、多くの人と会話をしたりして、徐々に脳へ刺激を与えてあげるしかないのが現状です。
若年性健忘症はまだまだ特効薬になるような治療法が確立していないこともあり、その分治療には時間がかかってしまうという難点もあります。
そのため普段から脳を刺激し、パソコンなどの電子機器に頼りきりにならない生活習慣を心掛けることが大切なのです。
よく物忘れをすると自覚したらセルフチェックをして、若年性健忘症の疑いがないかを確認するようにしましょう。
若年性健忘症のセルフチェック
以下の事に当てはまる様であれば注意が必要です。
・思うように言葉を話すことが出来ない
・以前と比べ「あれ」「これ」といった代名詞を多く使うようになった
・物忘れを頻繁にする様になったり、情報が理解できなくなり順序を立てて物事を考えられなくなった
これらの「思考力」に関わる症状をチェックし、いくつも当てはまるようであれば若年性健忘症の疑いがあります。
自分は大丈夫だと思わずに、しっかり病院で受診をしてください。