あなたは就寝前、部屋の電気を全て消してから寝ていますか?
最近では人間の体温を感知して消灯するセンサー式の照明や、脳をリラックスさせる白熱灯の照明も販売されていますから、眠るときは明かりをつけたままという方も多いのではないでしょうか。
しかし、明かりをつけたまま眠ってしまうと睡眠中の身体に悪影響が及ぶ事が分かってきました。
人間の身体に睡眠が欠かせない理由
睡眠は日中に溜まった肉体的・精神的な疲労を癒し、一時も休むことなく酷使していた脳の働きを一旦落ち着かせる役割があります。
しかも、人間の身体は睡眠中に体中の細胞が生まれ変わり、骨や皮膚の大部分が生成されていきます。
睡眠が不十分だとこのような働きも不十分なままに終わってしまうので、身体に不調が起こりやすく、組織細胞の生成も中途半端になってしまうため思うように身体が回復できません。
さらに恐ろしいのは、睡眠不足の状態が続くと交感神経と呼ばれる自律神経の一種が緊張し、免疫力を低下させて病気にかかりやすい体質になる事です。
睡眠は様々な害から身体をガードし、健康を保つためには欠かせない習慣なのです。
照明をつけたまま眠ると身体へのダメージが大きい
照明をつけて部屋が明るい状態で眠ると、睡眠障害のきっかけになったり身体の不調を促進します。
人間の体内には体内時計と呼ばれる独自のリズムがあり、体内時計が「夜」を感知すると、消化器官の動きがゆるやかになったり睡眠を促すホルモンであるメラトニンが分泌されたりします。
明かりをつけたままで眠ると、体内時計のセンサーが鈍ってメラトニンがされなくなってしまうので、眠りが浅くなったり代謝が鈍って肥満になりやすい体質になってしまうのです。
メラトニンは睡眠の質を向上させるだけでなく、アンチエイジング効果を持っているホルモンでもあります。
つまり、メラトニンが分泌されなくなると、老化が早まるリスクも高くなってしまうということです。
近年、若い女性を中心に乳がんを発症するリスクが高まっていますが、メラトニンの分泌が抑えられるとエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの一種が過剰に分泌されるため、乳がんを発症する確率が高まることも分かっています。
眠る前はきちんと照明を消して部屋を暗くしてあげる事で、体内時計が正常に機能しホルモンの分泌も正しく行われるようになります。
わざわざ立ってスイッチを押しに行くのが面倒ならリモコン式の照明に取り替え、ベッドの中なかでも照明を消せるなどの工夫をすると良いかもしれませんね。