炭水化物は体内に吸収されるとブドウ糖に分解され、エネルギーとして消費されなかった分は脂肪酸に再合成されて、皮下や内臓に「脂肪」として蓄えられます。

したがって、ダイエットを行う際には「糖分」はもちろんのこと、「炭水化物」もできるだけ食べないようにするのが今や常識となっている感があります。

ところがダイエット情報は数多くあり、数年前には常識だったダイエットが今年になってみれば効果なしということがよくある話です。

そこで、今回は「糖分や炭水化物はダイエットの敵!この常識はうそ?ほんと?」に迫ってみたいと思います。

ダイエットの本当の敵はストレス

ダイエットも本当の敵はストレス

ダイエットを成功させるために重要なのは「代謝(新陳代謝)」を上げることです。

人間の体は細胞の入れ替わりによってメンテナンスされていることはよく知られていることですが、このメンテナンスのことを「代謝」と呼んでいます。

そして代謝にとって最も重要なのが「血液」の存在。ご存知の通り血液は栄養素や酸素を細胞に届け、老廃物や二酸化炭素を受け取って排泄する「運搬業務」を担っています。

したがって、血液の流れが滞ると代謝が落ち込んでしまうため、健康的なダイエットにとっては大きな障害を引き起こしてしまうことになります。

 

この重要な血液の流れを悪くする最大の原因が「ストレス」です。

では、どうしてストレスが血液の流れを悪くしてしまうのでしょうか?簡単にいえば、これは「常に最大限の危機に対処するために生き物に備わっている高度な防御反応」です。

具体的には命の危機に瀕した場合、失血死をできるだけ遅らせるために血管を収縮させるから、ということなのですが「普段からそんなに重大な危機に瀕しているわけではないので、このように大げさな措置は無用でしょ?」と言われてしまいそうですね。

ところが、突然の交通事故のように日常のどこに危機が潜んでいるかは予測がつかないので、すぐにスクランブル態勢に入れるように、失血死を防ぐための反応を起こせるようになっているのです。

 

とはいえ、日々ストレスを感じていると常に血管が収縮した状態が続くことになり、次第に代謝は落ち込みあちらこちらに不具合が生じてきます。当然ダイエットにとってもこれは良い状態ではありません。

まずは「ダイエットの本当の敵はストレスである」ということを心得ましょう。

 

ブドウ糖は代謝のためのエネルギー源

ブドウ糖は代謝を促すためのエネルギー源

少し話が横道にそれたので元に戻しましょう。

「代謝」は私たちの健康やダイエットにとってとても重要な活動であることはお分りいただけたと思います。しかし、「代謝」を行うためにはエネルギー源が必要です。

 

三大栄養素には「脂質」「タンパク質」「糖質」が挙げられますが、この中でエネルギー源となるのは糖質です。つまり炭水化物です。

脂質やタンパク質は筋肉や細胞を作り出す原料として消費されていきます。

食べ物という異物を消化してそこから栄養素を取り出し、小腸から吸収して体内で必要な物質に分解したり再合成したりする働きのために必要な燃料がブドウ糖です。

特に「脳」はブドウ糖だけを唯一のエネルギー源として利用していますので、糖質不足は脳の機能低下を招き重大な健康被害をもたらす恐れがあります。

 

また、エネルギーの供給が落ちると脳はエネルギー源として盛んに脂肪酸を作りだし、体内に備蓄しようとするため、かえって太りやすくなります。したがって極端な糖質制限(炭水化物制限)は間違ったダイエット方法です。

むしろ、滞りなくブドウ糖を供給してエネルギーが潤滑に流動していることの方がダイエット成功の秘訣だといえるのです。

 

糖質の摂り方と量に気をつける事が重要

 糖質の摂り方と量に気をつける事が重要

では、ここからはダイエットを成功に導く最大のポイントについてお話ししていきます。

ダイエットを成功させるには「炭水化物の摂り方と量」が重要です。まずは自身の1日の生活パターンを把握しておきましょう。

 

一般的には朝起きて日中は仕事をし、夜は帰宅して寝るというパターンの人が多いと思うので、これを前提として話しを進めていきます。

ブドウ糖が活動のためのエネルギー源なのですから、一番エネルギーを必要とするのは「日中」ということになりますね。

ところが、ブドウ糖は炭水化物やお砂糖が分解されてできる物質ですから、”ブドウ糖を作るまでの時間”が必要になります。そのため

 

・朝食は主食の炭水化物をメインとしてカロリー高めのものをしっかりと摂る

・昼食は消費されたブドウ糖とミネラル、タンパク質を補給するためにバランスのとれた食事を心がける

・夕食は炭水化物は控えめにして、おかず(タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミン)を中心とした食事の摂り方を心がける

 

つまり朝食は主食主体、昼食はバランスよく、夕食はおかず主体で主食少なめというのがダイエットを成功に導く食べ方ということになります。

さらに、「ストレスの元となる極端な節食はしない、好きなものはちゃんと食べる」というのも重要ですね。

 

あとは「量」の問題ですが、これは各々生活パターンや体型によって必要なカロリーが異なってきます。

確実にダイエットを成功させたい場合は「メタボ健診」など自治体で実施している健康診断を利用したり、医師の指導の元で1日に必要なエネルギー量を計算してもらってダイエットを実践するようにしましょう。

一般的には1日の摂取カロリーを2,000〜3,000kcalに設定すれば良いとされています。