極端に人の目を見て話すのが苦手という人は、正視恐怖症という疾患を患っている可能性があります。
正視恐怖症は人間関係を悪化させる原因にもなるため、早めに対処しておきたい疾患。
いま、若い社会人を中心に増えているという正視恐怖症の原因と対処法についてお教えします。
実は「性格」のせいじゃない、正視恐怖症
正視恐怖症は人の目を見て話すことで得体のしれない恐怖を感じ、自分と会話をすることで相手を不快にさせていると思い込んでしまうのが特徴。
そして、相手を不快にさせているという脅迫概念にとらわれるあまり、相手の目を見ることができなくなり、視線を合わせることもできず挙動不審になってしまうのです。
このような行動はビジネスシーンでは致命的。
社内のみならず社外の人間に会う際に、目を見て話すことが出来なければ人間関係を悪化させ、仕事にも深刻な影響が出てしまいます。
また、正視恐怖症が進行すると人付き合いを拒み、自宅に引きこもるなど他人との関わりを断とうとする人も多いようです。
こうした悪循環は、うつ病や生活習慣の引き金にもなりますので、まだ症状が軽いうちに早期治療をし、正視恐怖症を重症化させないことが完治への第一歩だと言えるでしょう。
正視恐怖症になってしまったら心療内科へ
正視恐怖症を発症する人は思い込みの強い人や、人の目を気にしがちな人が多いと言います。
幼少期に親から過度の期待を受け常にプレッシャーに晒されてきた人も、周囲の評価を気にし過ぎてしまう傾向が強く、正視恐怖症になりやすいことも分かっています。
もしも正視恐怖症を発症してしまったら、心療内科で薬物療法とカウンセリングを受けるという方法をとるのが1番。
しかし、それでも人の目を気にするという根本的な問題を解決しなければ、また再発してしまうだけです。
正視恐怖症を本当の意味で完治させるには、会話するときに少しずつで良いので相手を見ることを習慣づけていくこと、そして相手は自分が思っているほど、自分を意識していないということを自覚することが重要です。
相手の「目」を見るのではなく、眉間や鼻を見るようにするだけでも正視恐怖症の症状が和らぎ、精神的なストレスも改善するはずです。
日本では欧米に比べ、まだまだ正視恐怖症という疾患についての認知度は低めです。
しかし、人の目を見て会話が出来ないというのは、れっきとした精神疾患の1つ。
もしも正視恐怖症の疑いがあるときは自分だけで悩むのではなく、病院でしかるべき治療を受けながら、日常生活の中に行動療法を取り入れて改善を目指しましょう。