しっかりと休養をとっているはずなのに、疲れが取れず身体がだるい気がする……。
そんな時は、自分でも気づかないうちに慢性疲労症候群を発症している可能性があります。
忙しい現代人が無意識のうちに発症してしまう慢性疲労症候群とは、一体どんな病気なのでしょうか。
ずっと疲労感が残る慢性疲労症候群
慢性疲労症候群の特徴は、しっかりと睡眠をとり身体を休めているにも関わらず、全身の倦怠感や関節の痛みを感じる状態が長期間に渡って続くこと。
症状や疲労を感じる期間は人によって異なりますが、3ヶ月ほど疲労感が続くようなら慢性疲労症候群と考えるべきです。
慢性疲労症候群が長期間続くと身体の不調だけでなく、うつや記憶力の低下など、精神面にも影響が出てくるため仕事が出来なくなったり、日常生活にも支障が出るようになります。
慢性疲労症候群と似た病名に「慢性疲労」という疾患がありますが、名前は似ていてもこの2つの疾患は全くの別物。
慢性疲労と慢性疲労症候群の見分け方は、微熱があるかどうかを基準に判断します。
身体の疲労感に微熱が伴うようであれば、慢性疲労症候群の可能性が非常に高いと言われています。
日本では、慢性疲労症候群の患者数は40万人近くに及んでおり、新たな現代病の1つとして注目が集まっています。
慢性疲労症候群の原因と予防法
慢性疲労症候群を発症する明確な理由は未だに不明な点が多く、そのため治療法も定まっていないのが現状です。
一説には、不規則な生活習慣が原因で起こるホルモンバランスの乱れや過度のストレス、睡眠不足が原因とも言われており、生活習慣を見直して規則正しい生活を送ることで症状を緩和させる事ができると言われています。
病院での治療としては薬物治療が主流です。
疲労感とともに筋肉痛や関節痛を併発している場合は鎮痛剤や湿布薬などで対応し、精神的な疲労感が強い場合は漢方や抗うつ剤を投与して完治を目指します。
しかし、薬物治療を行なっても、すぐに完治するわけではないのが慢性疲労症候群。
完治までには薬物投与とともに、時間をかけて生活習慣を見直していくことが重要です。
毎日仕事や家事に追われていると、疲労感を感じてもそれは忙しさのせいだと錯覚してしまいがちですが、疲労感は身体が発しているダメージのサインでもあるのです。
見てみぬふりをしたり仕事を優先させて身体を酷使しては、慢性疲労症候群を発症するリスクが高まり、後に高い代償を払うことにもなりかねません。
日頃からしっかりと休養をとって規則正しい生活を送りながら免疫力を高め、身体の出すサインを見逃さないようにして慢性疲労症候群の予防に努めましょう。