若い芸能人や歌手が闘病を告白したことで、世間にも認知されるようになったパセドウ病。
しかし、パセドウ病がどんな病気なのか、その症状についてはあまり詳しく知らない人がほとんどです。
実は、パセドウ病は20代~30代の女性が特に発症するリスクの高い病気で、現在日本のパセドウ病患者の約半数を若い女性が占めているのです。
若い女性がかかりやすいパセドウ病ってどんな病気?
パセドウ病とは人間をはじめとする哺乳類や、両生類などの生物が持っている甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気のことを言います。
甲状腺は人間であれば喉仏の真下にある臓器です。甲状腺ホルモンは主に身体の新陳代謝を促したり、細胞の発育や成長にも大きな影響を与えるため、過剰分泌によってホルモンバランスが崩れてしまうと身体にさまざまな悪影響が現れてしまいます。
たとえば、冬でも大量の汗をかいたり動悸が起こる、あるいは手が震えるなどの症状や、眼球が突出するなど外見上に症状が現れることもあります。
パセドウ病を発症する原因と治療法
パセドウ病についてはまだ解明されていない事も多く、なぜ発症するのかについてもはっきりとした理由は分かっていません。
現在、最も有力なのは喫煙によるタバコの有害物質の摂取、極度のストレス、また就職や結婚や出産など、大きな転機や環境の変化が甲状腺異常を引き起こすという説です。
もしもパセドウ病を発症してしまったら、病院での薬物治療や重度の場合は甲状腺除去の手術を受けることになります。
薬物治療では薬を使って甲状腺ホルモンの量をコントロールし、ホルモンバランスを正常な状態に近づけます。
一方、甲状腺除去の手術を行なうと再発のリスクは少なくなりますが、その後ずっと甲状腺の補充療法が必要になってしまうため、治療方法は体調を考慮して慎重に選ばなくてはなりません。
パセドウ病の治療は女性にとってリスクが大きい
女性は20代~30代を迎えると、結婚や妊娠などを考える時期に差し掛かってきますよね。
しかし、このような時期にパセドウ病を発症すると身体にも大きな負担を与えてしまうため、治療も難しくなってくる事があります。
甲状腺ホルモンのバランスが崩れると、女性ホルモンにも悪影響を与えるため、排卵や月経の周期が乱れるといった不調が出始めます。
この状態を放置してしまうと月経が止まって無月経状態になることもあり、妊娠や出産を考えている女性にとってはその後妊娠しにくくなるリスクが高まるため、注意しなくてはなりません。
女性にとって女性ホルモンにも悪影響を及ぼすパセドウ病はとてもやっかいな病気です。
しかし、症状からすぐにパセドウ病だと自覚するのは難しいため、身体に異常を感じたらすぐに病院を受診し、早期発見に努めることが大切になってきます。
妊娠や出産を安全に行なえる身体を守るためにも、ささいな不調も見逃さないようにしたいですね。