近年、女性の間で増えている「子宮筋腫(しきゅうきんし)」。名前は聞いたことあるけど、実際にはどのような病気かよく知らない……という方も多いのではないでしょうか。

自分は大丈夫と安心していても、子宮筋腫について詳しく知らないままでは事前に予防することも出来ませんよね。

そこで、今回は子宮筋腫という病気がどのようなものかを見てみましょう。

子宮筋腫ってどんな病気?

子宮筋腫ってどんな病気?
子宮筋腫は成人女性の3人に1人が発症すると言われている婦人科系疾患の1つで、子宮壁に瘤のような腫瘍が出来る病気のことを指します。

子宮に出来る腫瘍は筋肉が異常増殖したものと言われており、ほとんどが良性のため手術で取り除いてしまえば身体に悪影響が出来ることはほぼありません。

腫瘍は放っておくとどんどん肥大化していきますが、卵巣から分泌される女性ホルモンの量が多ければ多いほど、腫瘍も短期間で大きくなりやすいと言われています。

 

子宮は目に見えない部分ですから、子宮筋腫に気づくためには様々な自覚症状を敏感に察知することが重要になってきます。

子宮筋腫の自覚症状で多いと言われているのは、毎月月経時の出血が多かったり月経期間の長期化などです。

月経が長引くと、女性は多くの血液を失ってしまうので貧血を起こしやすくなります。

貧血の症状に悩んで病院を診察してみると、実は子宮筋腫の影響による月経異常と診断されて子宮筋腫の存在を知るというケースも決して珍しいことではありません。

それほど、子宮筋腫は自分では気付きにくい病気だと言うことですね。

 

子宮筋腫は手術療法か薬物療法で治せる

子宮筋腫は手術療法か薬物療法で治せる

子宮筋腫が見つかったら、腫瘍を取り除く治療を受けることになります。

現在は主に手術と薬物での治療が多くなっています。これは子宮筋腫の大きさや症状によって、身体に最も負担のかからない方法を選択するようになっています。

手術で子宮筋腫を摘出する場合は子宮を全て取り除く全摘出手術と、筋腫だけを取り除く筋腫核出術(きんしゅかくしゅつじゅつ)があります。

ほとんどの女性は将来妊娠できなくなるのを防ぐために、筋腫核出術を選ぶことが多いのですが、筋腫核出術は全摘出に比べて出血量が多くなるのが難点です。

 

一方で子宮筋腫を早期発見でき、筋腫がまだ小さいようであれば薬物治療を勧める医師もいます。

薬物治療では鎮痛剤や増血剤を処方して痛みを軽減する対症療法が取られます。

 

子宮筋腫はあくまで良性の腫瘍ですから、すぐに命に関わる病気ではありません。

ただ、女性として妊娠・出産をする以上、些細な自覚症状でも見落とさず早期発見できるように、自分の身体を把握しておくことが大切だと言えるでしょう。