古くから「ため息をつくと幸せが逃げる」ということわざが有名ですが、実はこのため息、無意識のうちに深く息を吸い、大きく息を吐き出すため身体にとっては悪い事ではないのです。

日頃ため息をついてしまうのは、ストレスを感じたときや気持ちが落ち込んだとき、イライラしている時などですが、ため息をつけばつくほど身体は健康になるって知っていましたか?

深い呼吸である「ため息」は自律神経を整える

深い呼吸である「ため息」は自律神経を整える

人間がその生涯で行う呼吸数は約5億回~6億回だと言われています。

この中には通常の呼吸の他に、ため息としてつく呼吸も当然含まれている事になります。

呼吸と精神の関係はとても深いと言われており、日頃から浅い呼吸を繰り返していると、脳まで酸素が行き渡らず脳が酸欠状態に陥ってしまいます。

このような状態になると血液も行き渡らないようになり、身体にもさまざまな不調が現れます。

 

逆に深く呼吸する癖をつけておくと身体の隅々まで酸素が行き渡り、脳の交感神経が正常に機能するようになるので、不調知らずの健康体をキープする事が出来るのです。

人間が生命活動を行う上で酸素は無くてはならないもの。物を考えたり小さく手を動かしたりするだけでも、身体は大量の酸素を使って筋肉を動かしたり自律神経を正常に機能させなくてはなりません。

ため息のように深い呼吸は、脳の自律神経を整えることの出来る数少ない方法なのです。

 

「幸せホルモン」のセロトニンの分泌が増加する呼吸法

「幸せホルモン」のセロトニンの分泌が増加する呼吸法

ヨガや瞑想など、ゆっくりと行う複式呼吸法が健康体を作ると言われています。

これは日本に古くから伝わる東洋医学でも言われている事ですが、深く息を吸い新鮮な空気を常に全身に行き渡らせ、ゆっくり時間をかけて吐ききると、血液中の二酸化炭素がリラックス効果をもたらすセロトニンに働きかけ精神安定剤の役目をするからです。

セロトニンが大量に分泌されると人はリラックス感と同時に幸福感を感じると言われていますので、それがたとえマイナスイメージの強いため息という呼吸だったとしても得られる効果は変わりません。

 

ため息をするときによりこの効果を得るためには、椅子などの背もたれに深く腰掛け全身の力を抜いてため息をつくというのがポイントです。

全身に力が入ったままでは、うしても呼吸が浅くなってしまうため、思うように息が吸い込めないのです。

 

このように、ため息という何気ない行為にも知られざる健康効果があるのをご理解頂けたでしょうか?

ため息をつく事は決して悪い事ばかりではありませんが、あまりに人前でやりすぎると周囲に不快感を与えてしまう原因にもなるので気をつけましょう。