舌が鈍感になり、食事をしても苦味や酸味など食材の持つ味を感じにくくなっている人が増えていると言われています。

このような味覚障害が起きる原因は、少し前までは風邪やタバコによるものが多いとされてきました。

しかし、最近ではストレスにさらされたり、うつ病を発症することによって味覚が鈍る、現代社会特有の味覚障害が増えているようです。

味覚障害が引き起こす病気

味覚障害が引き起こす病気

味覚障害になると食べ物の味を感じにくくなってしまうため、食事の度に過食や栄養過多になりやすく、生活習慣病のリスクが高まります。

例えば、甘みを感じないままに糖分の多い食べ物を食べ過ぎると糖尿病になりますし、調理の際にも味が分からないとつい味付けが濃くなってしまい、普段から塩分の高い食事を取ることになってしまいます。

塩分の高い食事を続けるとやがて高血圧や動脈硬化など、命に関わる疾患を引き起こすことにも繋がります。

 

一方で、味覚が鈍ると食べ物が腐ったりしていても、その異常に気づく事が出来ません。

そのため、消費期限を過ぎている食べ物を食べ腹痛を起したり食中毒にかかったりすることもあり、搬送される人で味覚障害患者であることも多いと言います。

 

また、女性であればダイエットへの影響も深刻です。ダイエット中は避けるべき脂質の多い食事も、脂の味覚を感じることが出来ないままでは避けることさえ出来ません。

味覚が正常であれば本能的に脂質が多い、糖分が多いと判断出来ますが、それさえ出来ない味覚障害は食事制限に失敗しやすいのです。

 

味覚障害にならないための食生活

味覚障害にならないための食生活

味覚障害を防ぐためには、食材に含まれている「旨味」成分を有効活用することです。

旨味は主に海産物や肉類、チーズなどに多く含まれる成分で、トマトやじゃがいも、人参など一部の野菜にも含まれていることが分かっています。

 

味覚障害を発症すると濃い味付けになりがちですが、ここに「旨味」を持つ食材を積極的に使うことで、味覚を改善する効果が期待できると言われています。

旨味の他にも、亜鉛を積極的に摂取すると味覚の改善に役立つので、毎日の食事にそういった食材を取り入れましょう。

 

何を食べても薄味に感じるときは、味覚障害になりかけている証拠です。

普段から唐辛子のような刺激物を食べ濃い味付けの食事ばかりとっていると、味覚障害の初期症状でもある舌の味覚が鈍る原因にもなってしまいます。

栄養バランスの整った食事を取ることはもちろん、刺激物の食べ過ぎをやめ、普段から味覚障害を未然に防ぐ食生活を心がけましょう。