古くは、幽霊や悪魔の仕業だと言われていた金縛りですが、医学的にみると金縛りは「睡眠まひ」と呼ばれるれっきとした睡眠障害の1つ。
しかし、金縛りにはなりやすい人とそうでない人がいます。
金縛りになりやすい人に共通している生活習慣と、対策について見ていきましょう。
金縛りはレム睡眠の時に起こる現象
人間が眠っている時、脳はレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返します。
一般的にレム睡眠は眠りが浅い状態のことを指し、ノンレム睡眠はレム睡眠に比べて深く眠っている状態を指します。
金縛りが起きる人は、睡眠中にほとんどノンレム睡眠に入ることがなく、浅い睡眠であるレム睡眠を繰り返している傾向が強いことが分かっています。
レム睡眠の時、脳はとても活発に活動しているのですが、この活動がさらに激しくなると、身体の筋肉は完全に眠っているのに意識だけが覚醒してしまいます。これが、いわゆる金縛りです。
金縛りにあっている最中に幻覚を見たという症状も多数報告されていますが、これは、レム睡眠中に見ていた夢の影響だと考えられています。
普段から睡眠時間が短かったり、常にストレスに晒されていたりすると日常的に眠りが浅くなる傾向があるため、レム睡眠の比率が増えて金縛りにかかりやすくなります。
金縛りにあったときは、まずはゆっくりと深呼吸
金縛りにあうと、身体は動かないのに頭は冴えているという状態になり、焦りから軽いパニックになる人も多いのだとか。
しかし、金縛りは時間が経てば自然と解けるものなので、焦らずにまずは深呼吸をして気持ちを落ち着かせることが大切です。
金縛りを自発的に解きたいときは深呼吸を繰り返す、眼球を動かす、指先を動かそうとしてみるといった行動をとると、比較的短時間で金縛りが解けることがあります。
また、実際に身体を動かさなくても、動かそうと強く念じるだけで金縛りが解けるケースもあります。
金縛りになりにくい体質を作るには
金縛りなるのを防ぐには、まずは睡眠中の姿勢を見直してみましょう。
仰向けで寝ると睡眠が浅くなりレム睡眠がちになるので、ベッドに入ったら横向きに寝るよう意識してみるのも効果的。
普段、仰向けで寝ることが多く、横向きになると落ち着かないという時は、抱きまくらなどを使用すると眠りやすくなるはずです。
そして、眠る直前まで頭の中で考えごとをしていたり、スマートフォンでインターネットを見ていたりすると、脳が覚醒した状態のまま睡眠に入ってしまうので金縛りが起こりやすくなります。
眠る直前はスマートフォン、パソコン、テレビなどを見るのは控え、脳への情報をシャットアウトしてあげると良いでしょう。
何度も金縛りに合う人は単なる体質の問題ではなく、ナルコレプシーという睡眠障害を発症している可能性もあります。
睡眠障害になると日中に深い眠りに襲われ仕事が手につかなくなるなどの問題も出てきますので、頻繁に金縛りが起こるときは病院で治療を受けることをおすすめします。