ロコモ症候群という言葉をご存知でしょうか?
正式名称はロコモティブ・シンドロームと言い、自力で立つ、歩行するといった行動が困難になり、介護を必要とする状態を指すこの言葉は以前は高齢者特有の症状と考えられてきました。
しかし、近年は高齢者だけでなく、小学生を中心とした子供にも多くこのロコモ症候群が広がりつつあるようなのです。
本来ならば成長期に差し掛かっているはずの子供が、ロコモ症候群になってしまう原因とははたして……?
運動不足が目立つ子供がロコモ症候群予備軍に
ロコモ症候群の主な症状は、関節が曲がらないことで立てなくなったり、骨粗しょう症などの影響で骨が脆くなり、足腰が弱って歩行が困難になるというもの。
ここ数年、子供達はゲーム機の普及や塾などに通う習慣が多くなり、外で遊ぶ機会が少なくなってきました。
このような習慣が慢性的な運動不足を招き、筋力や骨密度の低下を招き、ロコモ症候群を引き起こしていたのです。
食生活もロコモ症候群を引き起こす原因?
運動不足だけでなく、食生活もロコモ症候群と深い関わりがあります。
今は子供でも手軽にファーストフードを購入できるうえ、コンビニやスーパーで買い食いをする事も珍しいことではありません。
また、両親が共働きという家庭環境が、3食栄養バランスの取れた規則正しい食事を取るという習慣を乱れがちにしていることも事実です。
このような食生活を送ると、体内の栄養バランスが崩れてしまい、ロコモ症候群を引き起こす「ビタミンD不足」に陥ってしまいます。
ビタミンDは、筋肉や骨の生成に関わる栄養素、乱れた食生活でビタミンDが常に不足している状態では、たとえ成長期の子供でもロコモ症候群を発症しやすくなってしまうのです。
子供のロコモ症候群を防ぐためには……
子供がロコモ症候群を発症するリスクを軽減するには、適度な運動と栄養バランスの取れた食事を心がけることです。
今は、野外に出なくても、室内でできる運動も沢山ありますよね。
エクササイズ系のゲームも多く発売されていますので、どうしてもゲームばかりをするというお子さんには、こうした身体を動かすゲームソフトを与えてあげるのも良いかもしれません。
食事は、筋肉や骨を丈夫にするカルシウムやビタミンDを中心に、たんぱく質などもバランスよく食べること。
このような生活習慣を送れば、子供の頃はもちろん、歳を重ねてもロコモ症候群になるリスクはぐっと低くなります。
文化科学省は、子供の運動不足や運動能力の低下に対して学校検診を見直すなどの対策を取っていますが、未だその効果は現れていません。
小さなお子さんを持つお母さんは、一度お子さんの運動不足や食生活を見直して、しっかりとロコモ症候群対策をしてあげる事が必要です。