みなさんは学校の家庭科の授業で「三大栄養素」について勉強したことを覚えていますでしょうか?

具体的には、私達が生きていくには三つの栄養素である「タンパク質」「糖質(炭水化物)」「脂質」が必要であり、その三つをまとめて「三大栄養素」というものです。

 

ところが近年では「三大栄養素」ではなく「五大栄養素」という言葉が使われ始めています。

「五大栄養素」とは「三大栄養素」に「ビタミン」と「ミネラル」を加えた新しい言葉です。

ビタミンってどんなもの?

ビタミンってどんなもの?

みなさんは「ビタミン」と聞いて何をイメージしますか?

フルーツ?野菜?栄養剤?中には”酸っぱそう”と答える人もいそうですね。

いずれも間違いではありませんが、「ビタミン」とは人が生きていく上で必要な栄養素であるにも関わらず「体内では生成することができない”有機物”」の総称になります。

 

おそらく日本で一番最初に話題になったビタミンが「ビタミンC」であり、この成分には強い酸味があるのでビタミンと聞くと”酸っぱそう”という印象を持つ人が多いのではないかと思われますが、Cがあれば当然A、Bがあり、そのほかにもDやE、Kなども存在します。

 

そして、同じビタミン類のカテゴリーの中で更に細かく分類されているのがこの物質の特徴になります。(例:ビタミンB2、ビタミンB16など)

更にビタミンという名称では呼ばれていませんが、「葉酸」「パントテン酸」「ビオチン」「ナイアシン」などもビタミンの仲間になります。

味や香りもさまざまで、ビタミンCのように強い酸味を持つものから全く味のしないのものまであり、性質も水溶性のものから脂溶性のものまで、実にバラエティ豊なのが「ビタミン類」なのです。

 

ミネラルは体内では生成できない

ミネラルは体内では生成できない

ビタミンと同様、生きていくためには欠かせない物質であるにも関わらず、体内では生成できないもう一つの物質に「ミネラル」があります。

ビタミンとの最大の違いは「有機物」であるか否かになります。上記のように「ビタミン」は有機物ですが、「ミネラル」は無機物です。

有機物と無機物の違いはまた後述するので一旦置いておいて、人には「必須ミネラル」と呼ばれる16種類の存在が確認されているので、まずはそれらを挙げていきましょう。(ミネラルには現在29種類存在することが確認されています)

 

必須ミネラル16種類:( )内は元素記号です。

・硫黄(S)

・塩素(Cl)

・ナトリウム(Na)

・カリウム(K)

・マグネシウム(Mg)

・カルシウム(Ca)

・リン(P)

–ここまでが主要ミネラルで以下が微量ミネラル–

・鉄(Fe)

・亜鉛(Zn)

・銅(Cu)

・マンガン(Mn)

・ヨウ素(I)

・セレン(Se)

・モリブデン(Mo)

・クロム(Cr)

・フッ素(F)

*必須ミネラルとは厚生労働省によって基準摂取量が定められているミネラル成分です。

 

有機物と無機物の違い

有機物と無機物の違い

さて、先に「ビタミンとミネラルの違いは”有機物”であるか”無機物”であるかの違い」という旨を説明しました。

”有機物”と”無機物”の違いとは何かといえば、組成式の中に炭素(O)を含んでいるかどうかの違いになります。

 

ビタミンというとなんとなく、「抗酸化力の強い物質で活性酸素を除去する」というイメージだけで捉えられがちですが、ほかにもヒアルロン酸やコラーゲンなどの潤い成分の生成を助けたり、血管を丈夫にするなど様々な作用がありますし、ミネラル不足は神経や筋肉、骨、脳、血液などの器質的な部分に障害が出やすくなるので、どちらもとても重要な物質であり、体内では合成できない物質ですから、食事やサプリメント等で適宜補給することになります。

 

ただし、取りすぎ(特にミネラル)は腎臓や肝臓への負担が大きいので、サプリメントを導入する際には1日の標準摂取量を守るようにしましょう。

通常の食事から取ることができるミネラルやビタミンの量だと、取りすぎに注意しなければならないのは塩分の主成分である「ナトリウム(Na)」と「塩素(Cl)」ぐらいとなります。

 

三大栄養素にビタミンとミネラルをプラスした五大栄養素を日頃から摂るようにしましょう。