眠れないのはなぜ?不眠症を引き起こす4つの原因と対策方法
毎日満足のいく睡眠がとれないため身体に疲れが残っている、あるいは慢性的な眠気を感じるようなら、それは軽度の睡眠障害を発症している可能性があります。
このような状態が長く続けば生活にも支障が出るようになり、さらに悪化していくとやがては重度の不眠症を引き起こしてしまうことも。
不眠を引き起こす原因は人それぞれですが、精神的な要因だけでなく外因性の要因が関わっている可能性も否定できません。
睡眠トラブルを抱え、不眠がちな人は一度生活習慣を見直しその原因をしっかりと考えてみる必要があります。
精神的な要因が引き起こす不眠症
不眠症を引き起こしている原因が精神的な要因である場合には、脳がストレスによる影響を受けている可能性が高いと考えられます。
人間の身体は強いストレスを感じると脳からアドレナリンを分泌し、1種の興奮状態になることがあります。アドレナリンが分泌された状態になると、目が冴え意識もはっきりとするため眠気を感じないようになり、いつまでたっても眠ることができません。
また、一時的ではなく常にストレスを感じる環境に長く身を置いていると、やがて自律神経が乱れていき交感神経が活性化することもあります。
交感神経が活発になると身体をリラックス状態にし、眠気を与える副交感神経が機能しなくなってしまうので、常に身体が緊張状態から抜け出せず脳だけでなく身体も休まらない状態に。
長期間こうした状態が続けば当然睡眠の質が悪くなり、不眠を引き起こすことになります。
寝る前の飲酒・コーヒーによるカフェインはNG
日常的に飲酒をする習慣がある人や、毎日大量のコーヒーや紅茶を飲んでカフェインを摂取している人は夜になっても脳が活性化した状態になるため、眠気を感じなくなることがあります。
カフェインは眠気覚ましにも使われる物質で、脳から眠気を取り除き覚醒状態にする働きがあることで有名。そのため、毎日大量のカフェインを摂取している人は眠りの浅いレム睡眠の回数が増えていき、カフェインの摂取用がさらに増えると不眠症になることがあります。
カフェインには利尿作用があるため少量であればすぐに排出されますが、毎日大量に摂取すると肝臓が処理しきれず常に体内に成分が残ったままになることも。
こうした習慣が慢性的になると脳と身体が常に覚醒している状態になり、眠いのに眠れないという不眠症の症状が表面化してきます。
身体に合わない寝具を使うと不眠症になる?
不眠症に悩む人の外因性の要因で最も多いのが、自分の身体に合わない寝具を使っているというものです。
これは、高さの合わない枕を使っていたり、身体に対してベッドが小さすぎたり、布団が重すぎて寝苦しさを感じるというような状態です。
たとえ身体が疲労し脳が眠気を感じていても、こうした寝具を使っては眠りが浅くなって夜中に何度も目が覚めてしまい、背骨や骨盤の歪みを引き起こすなどの症状が出ることもあるのです。
また、夏と冬で布団を変えないままでいると身体の持つ体温調整機能が正常に機能せず、冷え性や異常な発汗に悩まされることもあります。
こうした些細な睡眠トラブルが積み重なった結果、不眠症になってしまったという例も多いため、寝具は自分の身体に合ったものを選び季節によって変えることが大切です。
不眠症を引き起こす原因は体内時計
人間は身体の中に一定のサイクルがあり、朝目が覚めて夜は眠くなり、おおよそ決まった時間に空腹を感じるようになっています。これがいわゆる体内時計と呼ばれるもの。
不眠症のような睡眠トラブルを引き起こす原因の1つが、この体内時計の乱れです。
人間の中に存在する体内時計は、毎朝日光を浴びる瞬間に一度リセットされるようになっています。しかし、長期間日光を浴びなかったり、朝に寝て夜中に活動するといった夜型の生活スタイルを続けていると、やがて体内時計のリズムが乱れて身体が眠気を感じなくなることがあります。
現在はスマートフォンやパソコンが普及していますが、夜中までこうした機器のディスプレイを見続けることでも体内時計が狂うことがあるため、今では就寝前にはスマートフォンやパソコンの使用を控えたほうが良いという研究結果もあります。
もしも毎日長時間スマートフォンやパソコンを使う習慣がある人は、就寝前の2〜3時間こうした機器から離れて目を安めることで不眠症の症状が緩和することがあるので試してみてください。
このように不眠症の原因は1つではなく、その人の性格や環境、生活スタイルによって理由は多岐にわたります。
1度不眠症を発症すれば身体のだるさや疲労感に悩まされるだけでなく、うつ病など重度の精神疾患を併発することもあるため、初期のうちにしっかりと改善することが求められると言えるでしょう。
睡眠は生命維持にとって欠かせない習慣。不眠症の疑いがあるときはまず自分の生活習慣を見直し、悪化する前に医療機関できちんとした治療を受けるようにしてください。